THE MONKEYS

モンキーズを知らない人間はいないと決めてかかるととんでもないことになる。
「えっ!」って顔をされる。
困った顔をされる。
イエモンのことですか、とかファンモンのことですか、とか聞かれたりして「えっ!」って顔になってしまう。

第2のビートルズを狙ってわざわざオーディションまでして、金のかかったバンドなのに困ったもんだ。
1966年にデビューしていきなりの全米No.1。彼らがドタバタ喜劇を演じるテレビ番組もバカ当りして、ほんの一時期だけどビートルズに並ぶ人気があったんだから。

小学生であった私も泣き落としで、シングル「モンキーズのテーマ」を買わせ、歌いまくった。歌詞カード見て自信満々で歌っていた。のち中学生になり英語とは呼べない不可解なものであったことが発覚したが、実は今、口をついて出てくるのは小学生の時のハチャメチャ英語バージョンである。歌詞を見ながらカラオケで歌うと違和感さえ覚えるのだから、人間、洗脳されると怖いもんだ。自分で自分を洗脳しちゃうんだから。

いつもの前ふりの長さで申し訳ありません。
メンバーだったデイビー・ジョーンズが66歳で亡くなりました。
小さな身体で、一生懸命タンバリン振って踊ってました。「Daydream Believer」が日本では最も知られている曲なので、彼がボーカルだと思っている人が多いかもしれないが、実際にはミッキー・ドレンツという日本人があまり好まない顔のドラマーがメインボーカルだったのよ。
ともあれご冥福をお祈りします。

デビューしてから、「ビートルズのまねバンド」「作られたバンド」と非難轟々だったんだけど、そんなグループは山のようにあった。やはり魅力的なグループであったことは間違いない。なんせ、ポール・ウィリアムズ、ステーブン・スティルスジョン・セバスチャンバン・ダイク・パークスなんかもオーディション受けてたってんだから。
今の日本でそんなこと言ったら、ヒットチャート上位の方々はどうなのよ、という話である。
そんなわけで、日本でのモンキーズ人気は70年の解散後も続き、なんと湯川れい子先生の作詞により、デイビーはシングルまで出している。

こういうグループは再結成の回数が多い。86年、89年、96年、97年、2001年とどうしたのってくらい再結成されている。多分、すでに自分のバンドで活発な活動をしていたマイク・ネスミスはメンバーにはなっていないと思う。私はこの背の高い、何を考えているんだか分からなかったオッサンが一番好きでした。

全く知らなかったんだけど、2011年にも再結成してツアー公演をやったらしい。途中で仲間割れしてツアーは途中で終っちゃった、とのこと。デイビーも花道を飾れたよね。よかった。

では「モンキーズのテーマ」とマイク・ネスミスが脱退後に作ったファースト・ナショナル・バンドの「シルバー・ムーン」をどうぞ。モンキーズじゃないのにモンキーズの写真で構成されている。
「デイドリーム・ビリーバー」はあんまり好きじゃないので、自分で歌ってください。
全然、デイビーの追悼になってない。