済州島団体旅行

年に一度だけ団体観光旅行に出かける。
毎月参加している勉強会の皆さんとの親睦のためである。
ほとんどの地方自治体が議員さんをただで遊ばせてあげてるやつに似ているが、我々は自分で金を払っていく。国会議員もただか。

なんであれ議員の視察旅行というわけのわからんものはやめさせたほうがいいね。
私、恥ずかしながら一度だけ若いころに一人で団体旅行に紛れ込んだことがある。地方議会の議長、その奥さん、秘書、議長の友人の議員も一緒の旅行で、この方々は我々と同じ旅程で名所旧跡を見て歩き、文句ばかり言っているというとんでもない阿呆どもだった。

一度、議員のおじいさんが搭乗口でいきなり「パスポートがない」と騒ぎ出した。
何度も繰り返し添乗員の方がパスポートの確認をしていたにもかかわらず、飛行機離陸間際のこの時点で何をいうてんねん、ということで関西方面の議会の方々とばらしてしまったが、その爺さん「おかしい、おかしい」とまるで他人事のように何も入っていない上着のポケットをただ撫で回しているだけ。ないとこいくら探したってないんだよ。

添乗員のお兄さんは空港中の売店を全力ダッシュで走り回り、パスポートが落ちていなかったか確認している。搭乗係のお姉さんは「もうとっくに離陸の時間を過ぎているから、閉めるわよ」と怒りまくり。それを添乗員さんがなだめながら、大騒ぎしていたら「あった、あった」とお土産のバッグの中からパスポートを取り出す馬鹿爺。「お土産こうたときに一緒に入れてもーたんや」と悪びれもせず、パスポートを振りかざしている。

「すぐに乗れ」ということで、機内に入るとキッツイ視線が我々に向けられている。お分かりになりますでしょうか。そういう視線は偉い議員さんは一切気にしない。「あはは、あはは」と笑っていたら、添乗員さんがすっ飛んできて、「我々が出発を遅らせたのに、なぜあの爺さんは笑っているのか、とスチュワーデスも、他のお客さんもカンカンです。笑わないでください」ときつく叱ったら、ブーたれた。

「なんやあの添乗員。俺を誰やと思ーてるんや。あいつ二度と働けんよーにしてやる」と馬鹿丸出しの逆切れ状態。

その日の夕食時、議長軍団が反乱を起こした。
一泊だけ団体から離れて、どこぞへ表敬訪問することになっていたらしい。
そのこと自体は何の問題もなくアレンジされていたのだが、「あの若造、わてらなめてるで、思い知らせてやらな。だいたい表敬訪問の車の手配もおかしいで、あんたもそう思うやろ」といきなり私にビーンボールを投げつけてきた。
なんでこんな席に座らされたんだろう、と食事が始まる前から嫌ーな気分だったのに、ついに最悪の事態を招いたな、お前ら。

「私は事前にどのような約束がされていたのかわかりませんから、一切コメントできません」と10代の若造がばっさり切ってやった。テーブルは静まり返り、陰険なムードがテーブルに満載。今度は私の隣にいたOLの女性に「あんたもあいつが悪いと思うやろ」、女性は「私もそのことは何も知りませんから」と無視。
せっかくの晩飯なのに何を食ったかもわからない。

そこで私が成敗してやっとけばよかったのだが、お年寄りということもあり、目をつぶってやった。
後でOLのお姉さんからは、「大倉君、かっこよかったわよ」と愛の告白をされたが、まあ、それはそれ。

その後もなんやかんや添乗員さんともめていたが、早い話機内で怒られたことに腹を立てているだけ。しかし、この添乗員さん、凄腕で帰国する時にはすっかりたちの悪い議長軍団を手なずけてしまった。あれはプロの仕事だったな。

どうなんだろう、今でも視察旅行という名の観光旅行では同様の光景が繰り広げられているのだろうか。あれマジで仕事なんかしてないよ。私のときは面白いもん見つけると秘書のオッサンにちゃんとメモしとけよ、と威張りくさっていただけだったな。
そもそもなどんな報告書書いているんだろう。小学生の感想文でも、私のブログでもないんだから税金分ぐらいちゃんと人様が読めるようなもの書いとけよ。

明日からの楽しみを書こうと思っていたら、いつものように全く違う話になってしまった。
一人放浪で勝手に歩き回ることはよくあるが、国外に団体旅行で出かけるのは、広告会社をやっていた時に社員旅行でソウルに行ったことがあるだけだ。

今回は済州島。なぜ韓国ばかりになるんだろうか。
ともあれ、ウォンがまた安くなった。こういうときだけはありがたい。酒飲んで、うまいもん食うだけだ。2泊3日で行ってきます。ノートブックは持って行きませんから、ブログは3日間お休みです。2度目の中断になるな。

そんなわけなんで、その間は皆さん是非「私的Found MUJIの旅」をお楽しみください。

http://ottava.jp/muji/

おっと、これは香港だった。スターフェリーの乗り場だ。