ELIZA DOOLITTLE

恥ずかしながら、この方が日本でも人気が高い方なのか、そうでもないのか全然わからないんですが、見当買いをしたアルバムがことのほか気に入ってしまい、このCDを聴いている間だけは薄笑いをしていられるので、無理やり人にも勧めたくなりました。

みんな知ってるよ、大倉ちゃん、ということであればこの記事は一切なかったことにしていただきたい。

名前がいいでしょ。イライザ・ドゥーリトルなんて可愛い名前じゃないの、と何度も薄笑いしていたら、「マイ・フェア・レディ」の主人公の名前と同じじゃないの。日本語で調べてみるとタイトルの表記通りエリザ・ドゥーリトルと記してあるモノもあるが、本人が「マイ・フェア・レディからなのよ」と言っているらしいので、疑ってもしょうがない。イライザが正しい読み方。名前がイライザだったんで子供の頃からそう呼ばれていたらしい。

この子は若いですよ。24歳、ジャケット見ているとまた薄笑い浮かべちゃうよ。
若い子はいいな。若さで破裂しそうだ。イギリス人なんで写真の撮り方によっては若干チャビーに見えるかもしれないけど、多分がっちりしていると思うよ。彼女たちは骨が太いから、痩せて見えても近くで見ると安定感がある。

ややかすれ声で歌うそのメロディは派手派手ではないけれど、実に気持ちよく胸にストンと入ってきます。私がロンドンにいたときに週2回は行って、テス(6月7日のブログ参照)を譲ってもらったカムデンタウンというお金にやや不自由している人たちがそぞろ歩きする地区で育ったらしいので、デビューも苦労して這い上がってきたんだろう、イギリス流の成り上がり物語だな、いい話だ、と勝手に感心していたら、事実は非情だ。

彼女はスーパー音楽一家出身であった。
父親はロイヤル・シェークスピア・カンパニーの名誉理事であり、演劇、ミュージカル、オペラのの演出家、母親はミュージカル役者、モデルでトニー賞も受賞している。そのほか祖母も叔母も有名どころぞろいだった。
這い上がった感があると思ったんだけどな。

しかし、よく聴いてみると「そうだな、毛並みの良さが出てるな。無理無理歌ってない、少し脱力感を残しているところなんか、いいとこのお嬢さんじゃないか」とあっさり見方が変わってしまった。
結局、俺には何もわからないんだよ。
いや、そもそもどんな家庭に育とうが、やる子はやるんだよ。
それでいいじゃないか。

しかし、デビューする前は彼女はバンドと一緒に全国の中学校、高校を回って地道なツアーをこなしている。これはなんなんだろう。文化祭?そんなのあったかな。
ともあれ、そんなことをこなしながらだんだん知られるようになりました。

2010年にリリースした「ELIZA DOOLITTLE」を聴きながら、この記事を書いているけど、2009年にはEPも発表している。ドンドコうまいこといってるよ。
おまけに去年はモデルエージェンシーとも契約して売れっ子になっちゃったよ。

まだ、アルバムは1枚きりだが、将来は約束されてるな。
おじさんには特に響くから是非聴いてみて。