コンニャク〜はお好きでしょ

「コンニャクはちょっと」という人に会ったことがない。
「好きで好きで大好きで」という人にも会ったことがないが、ここにいる。
私がそうだ。

コンニャク問答とかあまり好ましくないところで失礼な使われ方をするコンニャクであるが、みんな「マジ、これコンニャク?」という驚くほどどっしりした構えで見事な歯ごたえのものを食べたことないんじゃなかろうかとかわいそうになる。

コンニャクにはおいしいものとおいしくないものが存在する。
コンニャクはみんな同じだと思ったら大間違いだからな。
スーパーでこのコンニャク以外は使ってはならないと決めていたやつが数年前に姿を消した。
少し他のコンニャクより高かったからだと思う。
たかが数十円で本当のコンニャクの味をおろそかにするとは愚かなことだ。
知らないということは幸せになることを放棄していることでもあるし、不幸せであることも知らないという、まあ、どっちでもいい話である。

でも、なんだかんだでコンニャク食べるでしょ。
刺身、煮物、おでん、ステーキ、豚汁、炊き込みご飯、カレー、観光地では玉コンニャクを串刺しにして売ってるね。あれ味付けで好き嫌いが分かれる。私は一切甘さがないのしか食べない。
おでん屋でコンニャク頼まない人はいない。いるとすればコンニャクの存在を知らない人だ。

コンニャクは世界中で愛されている食物である、と胸を張りたいが全然世界中じゃない。
日本、中国、韓国、ミャンマーくらいでしか食べない。
いきなりミャンマーかよと思うでしょ。
私も今の今まで知らなかった。
ミャンマーに数週間いたことがあるけど、コンニャクはメニューになかったもんな。
だからすみません、ミャンマーのコンニャクについては何も申せません。
中国で食ったかなあ。韓国も怪しいな。
みんなどこで食ってんだろう。
「コンニャク巡礼」って番組作らないかな。
私が巡礼するから。

コンニャクをダイエットフードとして麺の代わりにして食べる人がいるがあれは感心しないね。
コンニャクはコンニャクとして食べられてこそ浮かぶ瀬もあれ、だ。
「痩せられるからコンニャク」じゃなくて、「おいしいからコンニャク」にして欲しい。
コンニャクはほとんど水からできているが、食物繊維が豊富に含まれるので、「お腹の中を綺麗にしてくれる」というのはあながち間違った理解ではない。

さて、そんな可愛い奴だが、日本全国あまねく作られているわけではない。
日本で食されるコンニャクの89.5%は群馬県産である。
なぜだろう。私にもよくわからない。
群馬を含んで北関東だけで95%のシェアを持つので土地が合っているのだろうか。
コンニャクに合った土地。もっと誇りをもってコンニャク自慢をして欲しい。

実はしてくれている。
東京は東銀座に「ぐんまちゃん家」というお店がある、よくある県のアピールショップである。
近くには岩手県のもある。是非お立ち寄りください。
この店は「ぐんまちゃんち」と読む。「ち」というのがチリチリくるが理由がある。
この店のゆるキャラが馬だか怪物だかわからないものなのだが、そいつがぐんまちゃんで、その家というコンセプトになっているからである。ちょっと薄ら寒さを感じはするが、問題は中身だ。
群馬といえば下仁田ネギだろう。
しかし、不思議なことに下仁田ネギは見たことがない。
水沢うどんを強くアピールしているが、そこまでのブランド力を持っていない。
これといったものがないのである。
おかげさまでいくら頑張っても超赤字状態から脱出できない。

ホームページを見てもやる気はあるんだろうけど、どうもそれが伝わってこない。
だって、群馬が誇るコンニャクについて何も触れていないんだから。
http://www.pref.gunma.jp/01/b0110107.html

コンニャク売らずに何を売る。
ここにはコンニャクコーナーがあって玉コンニャク各種、刺身コンニャク各種、板コンニャク各種とコンニャクの宝庫なのよ。
基本的に私はこのコンニャク以外は口にしない。
しかし、わざわざコンニャクだけ東銀座に買いに行くほど暇じゃない。
だから近くに行くたびにコンニャクを買って帰る。
ここの玉コンニャクの歯ごたえは半端じゃないよ。
味もよく沁みる構造になっていると思われ、そのうまさは皆さんが今感じているところの10倍くらい。嘘だと思うなら買ってみな。まずかったら損失補償をしてあげるかもしれない。

玉コンニャクを買って帰ると豚汁にする。
具が山のように入った豚汁。その中でもひときわ目立つのが玉コンニャクを半分に切ったやつ。
これで豚汁が普段のものとは別物に変身する。

刺身コンニャクも大変よろしい。
私は海の香がする緑色のが大好き。
酒にあう。

ぐんまちゃん家は小さな店舗だったのが、赤字を省みず倍のでかさに広げてしまった。
いろいろありそうで、そうでもない。
コンニャクで一点突破を図って欲しい。
潰れちゃうと真剣に困るんだよ。
ちゃんとやろうぜ。

群馬県下仁田町には下仁田こんにゃく観光センターという立派なものがある。
私の知らないコンニャク料理もいただける。
コンニャク好きでツアーを組んでみたく思っている。
食うものはコンニャクだけ。
最高じゃね。
http://www.tabi254.jp/

ミャンマーのどこでコンニャク食えるんだろう。
パガン、ミャンマー