甘いものが増えた

ハゲに甘い人が増えた、という話だったら大歓迎なんだけど、違う。
カレー、パン、酒、ドレッシング、あげくの果てにはキムチまで甘くなってしまったらしい。
私が勝手にそう感じているのではない。データがある。

例えばカレー。
バーモントカレー、ってのがありますね。あれは私の中ではとにかく甘いという印象しかなかったんだけど、あのブランドの中でも甘口、中辛、辛口と3つあるんだそうです。2009年の甘口の割合は38.6%だったのが、2012年には40%を超え、辛口たるや15.2%にまで落ち込んでしまった。バーモントカレーの辛口だから、実際のところは全く辛くないんだけど、このざまだ。

私の家では同じメーカーが出している一番辛いジャワカレーの辛口を使っており、私だけそのルーの上にハバネロペッパーという粉末状の悪魔の辛さを誇る調味料を振りかけて食べている。
これが食えた奴には10円やるよ。
ロンドンで一緒に仕事をしていたパトリシアというお姉様は昼ご飯に青唐辛子をかじっていた。あれは真似できなかったが、辛さは世界のドアを開けてくれる。新たな地平線が見えてくるんだよ。

韓国でも出くわさないこともないが、キムチもだ。
日本ではキムチが甘いと以前から感じていたのに、さらにその甘みが増しているらしい。「ご飯がススムキムチ」という甘味を強めたキムチが人気があるらしい。
キムチは辛くて味が深いからご飯が進むんじゃなかったかね。
博多の辛子明太子はどうなってしまうんだろう。
私はあれだけでどんぶり2杯ご飯が食べられるよ。

玉子焼きに砂糖を入れる家と入れない家があったが、私の家では入れなかった。
甘ったるい玉子焼きでは酒が飲めんだろう。ガキは酒飲まないけど。
だから、寿司屋の玉子焼きは私は大変苦手で、人に食べていただく。
居酒屋では出汁巻き玉子に砂糖を入れているかどうかを聞いてからオーダーする。ざっと半分の店で砂糖を入れて甘くしている。
おいしい出汁巻き玉子は表参道のうどん屋「しまだ」で食べられます。ここは関東風の甘いのと、関西風の甘くないのがあります。甘くない方が断然うまい。関東風を食べたことないんだけど。
ただ、ここの玉子焼きはやたら量があるんで気をつけて。

焼き鳥も焼き肉もタレじゃなくて塩。
甘いと味がわからなくなる。

酒はビールが苦手な人が増えて一杯目から果実風味のサワーを注文するらしい。
若者といえば娘しか知らないんだけど、この方はあまり好きじゃないけど、一杯目はビールだそうだ。自宅での訓練が効いたか。飲ませてないか。

専門家によれば、甘みは本能的に好まれるのだけど、苦みや酸っぱさをおいしく感じるには子供の頃の訓練が必要らしい。今の30代、40代は外食産業が増えてきた頃に育って、好みの甘いものを選んで食べたからそうなったのではないかという。

私のように甘いものが全くダメというのもいかがなものかと思うが、世の中甘いものばかりが増えると、食べられるものが減ってきてしまう。多様性がここでも失われつつある。

実は東南アジアでは料理の味が甘めというところが結構ある、インドネシア、フィリピン、カンボジアあたりははじめから甘くなって運ばれて来る。タイ、ベトナムラオスでも甘くして食べる人も多いが、自分で調味料を足して食べるので、私にはありがたい。
また、タイ、インドでは何でも辛いというイメージが強いのだけど、最近では口から火を噴くような料理はあまり出てこない。
若い人が敬遠する傾向があるそうである。
タイで一緒に食事をしたお兄さんも私が唐辛子をタイスキにぶち込んでいるのを見て、あきれたように顔を振っていた。
インドも30年くらい前と比べると辛さが抑えめなんだよね。

人の味の嗜好にいちゃもんをつける気はないけど、おいしいものがたくさんあるのにー、と残念に思うことがい多いです。

猪瀬知事のこと書くかと思った人がいるかもしれませんが、あきれてものが言えないんでやめました。
でもNYTのまえにも、ほとんど報道されてないけど、「先進国はホスピタリティがしっかりしているけど・・・」てなことをアメリカ人、日本人の前で堂々と発言して、一部ではかなり問題になってました。

インドの柑橘類は香りが素晴らしく、甘い。これはたまに口にします。