血がたぎる

普段は家で飼われている猫のような生活をしている私だが、突発的に人の世の情けに触れたくなったり、理不尽な目にあって泣きたくなったりする。それをパチリ、パチリとシャッターを切って行く。
「また自分探しですか」とこの熟年ハゲの志を試すようなことを言う方もいらっしゃるが、それはね、ちょっと違う。ただ、知らないもの見たいだけなんでございます。新しいものを見たときに自分がどう反応するかを観察するのが楽しみなんであります。これはやっぱり自分探しか。いい歳してなに考えてんだか。

前半は感傷旅行で、長年住んでいたイギリス、出張で毎週のように通い、うなだれて帰ってくることが多かったスペインに参ります。仕事で住んでた、出張していた場所ではカメラを持ち歩くこともほとんどなかったので、視線を変えて写真を撮って、CD買ってきます。

後半がクー!たまんないぜ。
アルメニアのエレヴァンにモスクワ経由で入って、できればグルジアまで足を伸ばせれば嬉しい。
コーカサスにはずーっと行ってみたかったんですよ。
旧ソ連邦内の共和国で現在はアルメニアグルジアアゼルバイジャンは独立国家となっています。
民族問題でもめ続けていた国々ですが、現在は状況が落ち着いているので、ようやくこちらのタイミングとあちらのタイミングが合いまして、めでたく初の入国を果たすことになりました。羨ましいでしょ。

アルメニアコーカサスと申し上げても50人に一人くらいしか「あそこね」という反応がないのですが、そのくらいの方がありがたい。帰ってきてから人気者だぜ。

アルメニアは4世紀の初めに世界で初めてキリスト教を国教とした国です。
私は宗教に関してはずいぶん勉強しましたが、特に何を信じているというわけではありません。
何を信じても同じところに到達できると思うほど楽観的ではありません。
あえて言えば無宗教なんですが、気がつくと出かけた先では人が祈る姿をいつも追いかけています。
この謎を解くためにも、アルメニアに行く必要があります。
なんにも見つかんなかったということになる可能性が高いんだけど、歩いているだけでも、ねえ。

さて、そんなわけで、明日から6月21日までこのブログは更新されません。
旅の最中に見たこと、聞いたことを公の場に出すことに抵抗があるからです。
旅の日記はかなり長いものを書きますが、実はそれを帰ってきてから開くことはほとんどありません。
覚えていることは、覚えているからです。忘れるものは、忘れるべきものなんでしょう。
旅の話はその場で書いてしまうと、自分が消化できていないものをそのまま表に出してしまうことになるんです。
それは嫌なの。

ですから、ノートブックも持って行きません。スマホはそもそも持っていません。
と言いつつも、あらー、かわいいじゃない、とか衝動的に何かをアップすることはあるかもしれません。
だから、毎日チェックしといた方がいいと思うよ。

それから、これまでにバカみたいに500本近くだらだらと書きまくっているので、最初から読んでみるというのも一興ですよ。
最初からこんな阿呆だったかとか分かるじゃん。
帰ってきたら、誰もいなくなっていた、ということになっているとすごーく寂しい。
お友達にも声をかけて、みんなで読んでてくださいね。

では、皆様、帰国した6月22日に新たな1ページが開かれるんで、お楽しみに。
行って参ります。

旅先ではこれはなんなのかしら、というものに出会います。
パタン、ネパール。