携帯ウォシュレット

ウォシュレットという言葉は商標登録されているはずなので、本当はお尻洗浄機が正しいんだろうけど、お尻洗浄機じゃなんだか人様にお話しするときに申し訳ない気がします。
TOTOさんには我慢してもらって、ここではウォシュレットということで使用させてくださいね。

前にも書きましたが、インドではもともと左手と水桶で綺麗にいたします。もちろんちゃんとそのあと手を洗います。
でも最近ではお金持ちの家ではトイレットペーパーを使用しているケースもあると思う。お金持ちの家に行ったことないんだけど、ホテル、ゲストハウスではトイレットペーパー使っているんで、そうなってるんじゃないかしら。
インドでは配水管が詰まることが多いんで、使用した紙はゴミ箱に入れることもあるので皆さんも気をつけてくださいね。

東南アジアではかなり前からピストル型のお尻に向けて引き金を引く画期的な水噴出器が発明されて安いゲストハウスでも置いてあるんで、私のような人間には大変ありがたい。
小学生の頃からのジヌシなものだから、ウォシュレットが発明されるまでの苦労といったら筆舌に尽くしがたいものがあった。

それでも旅先で長距離バスに乗っていると、茂みが深いところでトイレ休憩があったりするんで、その場合は宿から盗んできた紙を使用いたします。
「おおくら〜!」と不愉快に思っている方もいるはずですが、そういう旅をされる方々は慣れていて、男女関係なく一目散に茂みに突撃していくんで、私だけを責めるのはやめて。
ただ、始末した紙の方を現地の方々は「汚い」と思うことが多いので、できれば穴を掘って埋めるのがいいです。スコップ持って茂みに走る人もいないんだけど。

今回、ちょっと長い旅だったので、どうしたものかと悩んだ。
ヨーロッパは遅れていて、水で綺麗にする文化が未到のため、アジアのようにスッキリというわけにはいかない。
また痛い思いをしなけりゃならないかと思うと気鬱になる。

日本では最近「お、ようやくここでもウォシュレットつけた!」と感激するくらい、どこでもウォシュレット状態なんでそういう悩みからほぼ解放されていたのにな。

携帯ウォシュレットという電動のマシーンがあることは知っていたが、あれは重量が気になる。
とにかく軽くしたい、使い方が簡単な方が望ましい。
しかし、1ヵ月以上も耐えられるだろうか、と一応アマゾンで「携帯ウォシュレット」というのを検索してみた。
そしたら、しつこいけどウォシュレットはTOTOさんの商品の名前にも関わらず、出てきた出てきた。ずいぶんあちこちから同じようなものが発売されている。
だけど、高いしめんどくさそうだな、どうしようと物を買うことに極めて消極的な人生を歩んでいる私はずいぶん悩んだ。

ところが、さすが日本人、ウォシュレットの発明は日本人をしてトイレの先駆者にしていた。
手動式ウォシュレットというものが並んでいる。
これだ。

他にもたくさん紹介されていたのだが、このシズル感が気に入って失敗しても大きな痛手にはならない値段だったので取り寄せてみた。
いや、これはすごいよ。
水の入る量、押し具合の良さ、軽さ、これが私の求めていたものだった。

トイレに入る前にまず洗面台でボトルに水を入れる。
ここが一番恥ずかしいところ。
「あいつなにしてんだろう」
「飲み水をトイレで確保してんのかよ」
という視線が痛い。
それを持っておもむろに個室に向かう。
あとはご想像の通りよ。

なんせ水がたくさん入るんで心置きなく洗浄可能。
使用後は専用の巾着がついているので、それに入れて素知らぬ顔で出て行ける。

一ヵ月これのおかげで極めてさわやかな生活が営めた。

勧めるなー。
これさえあれば怖いものないよ。
全国のジヌシで海外出張恐怖症の方、私はこのメーカーのまわしもんじゃないけど、きっと私に感謝することになりますよ。
高いもんじゃないから、騙されたと思ってさ。

本当はこんなこと書きたくなかったんだけど、人助けのために思い切ってご紹介しました。

ロンドン郊外、バースの近く、サマーセットに住む友人の家に泊めてもらった。ゴージャスな住まいなんだけど、ウォシュレットはないんだな。