暑いですか

本日東京では気温が35度まで上がるという予報のようで、うんざりするなあ、どこか出かけなきゃ行けないんだっけ、とスケジュール見てみると、やっぱり大事な打ち合わせが一番暑そうな時間に入ってるじゃん。
私の汗のかきかたは半端じゃないんで、それを知らない人が見ると、この人病気なんじゃないのと思うんじゃないかと心配しますが、実は人は他人のことなんかそんなに見てないのよ。

夏のこの時期、50になるまでは毎日会社に行って、あちこち打ち合わせに出かけたりしておりました。
スーツとか着るような商売じゃなかったんでそれはありがたかったんだけど、Tシャツ一枚でも暑いものは暑い。歩き回ると汗でグシャグシャになる。
体はまあそれでもどうでもいいのよ。そのうち乾くから。
しかし、問題は首から上。文字通り滝のように流れてくる汗を放っておくわけにはいかない。本当に顔洗ったばかりのように見えるんだから。

だから、ハンドタオルを持ち歩くようになった。
観察している限り、普通のハンカチしか持っていない人が多いが、あれで私の汗を拭くと一度だけでポケットに戻せないくらいびしょ濡れになってしまう。あれで皆さんどのように過ごされているんでしょう。不思議でしょうがない。
汗かかないの?汗かいたほうが体温調節ができていいんじゃないの?関係ないの?

私はハンドタオルを持っていても30分くらいで使い物にならないくらい水に浸したようになってしまうので、3枚ほど用意しておいて、使えなくなるたびにぎゅっと汗を絞って、ビニール袋の中に入れるようにしておりましたよ。
全部駄目になると、会社で干していたんだけど、それを喜ぶやつがいて困惑しました。
「おっちゃん、なにやってんの、そんなところにタオル干さないで」
喜んでなかったか。
でも、そうでもしないとタオル10枚鞄につめて行かなきゃいけなくなる。他のもが入らない。

喜んでいたのはタオルを干すことじゃなかった。
私がタオルで頭のてっぺんまでひょいと一拭きするとみんなが喜んでいたな。
「おっちゃんの頭便利だよね〜」
「普通熱がこもるよね〜」
「ね〜」
頭がそれを要請してるんだから、喜ばれることでもないんだけどね。
私の汗は体の一番高いところ、頭頂部から最もたくさん出るんだよ。
「水は高いから低きに流れる」を人体を持って証明していたんだよ。

さて、私は東南アジアを歩き回っているので暑さに強いかといえばそうでもない。
暑いものは暑い。
東南アジアの方々も暑いときには外を歩かない。
歩いているのは私くらいのもんだ。
ふふ。
たまにエアコンの効いたところなんかに入るといったい何度だよ、というくらいに冷やしている。
香港の映画館では寒さに震えながら我慢して映画見てたもん。

インドも暑いが場所と時期によって湿度に差がある。
湿度が低ければ影に逃げ込めば何とかなる。
湿度が高いとどこに逃げても体が溶けていくのがわかる。
だからせめて雨がほとんど降らない乾期に出かけるようにしている。
本当のインドを知らないんだよ。
申し訳ありません。
だけど、土砂降りになるとカメラを出せなくなるんで仕方ない。

先日スペイン、アルメニアジョージアと回ってきましたが、どこも暑くなると何度なんだかわからないが日差しをもろに浴びると暑いというより痛い。乾燥しきっていると容赦がない。だからそういう季節はサングラスを売っている屋台がずらっと並ぶ。青い目の人は目をやられやすいんだな。
汗はもちろんかくんだけど、すぐに乾燥してしまうので、頻繁に汗を拭うことはない。
水を飲むと噴き出してくるが、それを拭ってもタオルはポケットの中ですぐに乾燥してしまう。

影に入るとまるでエアコンが入っているかのように涼しくなる、疲れてしまうと影でよく本を読んでいました。
ここまで極端な差を経験したのは初めてのことだった。

アルメニアの首都イェレヴァンは極端な寒暖の差があるところで、冬はマイナス25度にもなるし、夏は40度まで上がる。
6月のイェレヴァンはそれを思えばいい季節だった。
ああ、楽しかったな。

朝の番組を毎日やっているとき、暑い日に「今日も暑いですね」とつい口を滑らせると、若い女性ディレクターから「うるさい!暑いっていうな!言ってもなんも変わらんだろう!」とヘッドフォンを通じて罵声が浴びせられた。
「ああ、本当にそうですね。もう絶対に言いません」としょんぼりして猛反省するのだが、同じことをやっては怒られていた。
あいつ今頃何をやってるんだっけ。
時々一緒に飲んでんだった。

皆様、今日もお元気で。

ここは逃げ場のない暑いところ。
イェレヴァンの共和国広場あたり。