アルメニア大特集4 食事

晩飯を一人で食うのは淋しい。
一人で食べてるとビールも途中で面倒になってくることもある。
話し相手がいないから、ただガツガツ勢いで食べていると、いつビールを飲むべきかわからなくならない?
アルコールは話し相手がいてこそ楽しくいただけるものである。

しかし、暑い場所を旅していると事情は異なる。
日本は暑いんだけど、暑い暑いと言ってもバス、電車、仕事場、喫茶店、レストラン、どこでも冷房が効いているんで本当に暑いのはそういう場所を徒歩で移動しているときだけじゃないの。
私は寝ると暑くなるタイプなんで毎朝汗ビッショリ。額から汗たらたら流しPCに向かっている。
気持ち悪い奴、と思っている女性の皆さん、自分でも気持ち悪いんだから、そう思っていただいてもいいですよ。もう私には怖いものはないんだよ。

アジアの国の暑い時期(インドは年がら年中暑いと思っている人がいるけど、デリー辺りでも冬は凍えるくらい寒くなります。誤解のないよう)を旅していると、食事はともあれとにかく晩飯時は何を置いてもビールでしょ。
ネパールなんか食事を作るのが世界の七つの謎に入れてもいいくらい遅いんで、口にものを入れる前にビール大瓶2本は空にしている。

アルメニアも同じ。
東南アジアと違うのはからからに乾燥していること。
体の水分はほとんど失われているんで、晩飯で食堂に入るとまずビールを頼もうとするんだけど、メニューを置くとサッサといなくなってしまうんで、そこですかさずまずビール持ってきて、と頼まないと、メニュー眺めている間もずっと喉の渇きを我慢しなきゃいけなくなる。

で、ビールが来るでしょ。
あっという間に1本空いてしまうんで、もう1本頼むでしょ。
そうすると食事が出てくる。
酔っぱらっていて、腹も減っているんでいきなり食い始める。
すると「いけね、写真撮ってなかった」ということに気がつく。

このやたら長い前ふりは食事のことを書くことになっているのに、その食い物の写真が極端に少ないことのいいわけでございます。

では、始めましょう。
番組でも話しましたが、アルメニア料理で欠かせないのがラヴァッシュという極端に薄く焼かれたパン。
日本に留学していたイェヴァさんもこのラヴァッシュが食べたくて困ったそうです。
これはナーンでもないし、チャパティでも、ロティでもない。
見たことないくらい薄いパン。厚さ約1ミリくらいか。
これで何でもかんでも巻いて食べる。
そうしてないアルメニア人もたくさんいたけど、私はイェヴァ、アルマン夫妻に教えてもらってからやみつきになった。
アルメニアのチーズはしょっぱい。普通のチーズもある程度しょっぱいのだが、アルメニアのチーズはそれだけでは高血圧になります、というくらいしょっぱい。どんなチーズもしょっぱい。
ラヴァッシュに巻きましょう。
ペランペランのラヴァッシュを広げたところにチーズを並べます。そこに定番のトマトとキュウリの薄切りを添えます。
それをまとめて巻き巻きするともう出来上がり。
そんなもので満足できるのかと思うでしょ。
あらーん、というくらいうまいのよ。
トマト、キュウリの替わりに香草を巻いてもいい。
アルメニアでは青ネギも含めて香草が豊富にございます。それを何でもかんでも一緒くたにして巻きましょう。
これを食べ始めるともう他には何もいらないってくらい満足してしまう。
しかし、そういうわけにはいかないので、肉料理も頼んでね。
と言いつつ、パンはラヴァッシュだけではない。炭水化物はほとんどパンから得ているアルメニア人はどんなパンでも食べます。

数少ない料理の写真。
なんだっけな、多分鶏?右側のキノコのようなものはジャガイモ。
真ん中にタマネギ、みじん切りのパセリ。
アルメニアではパセリを生でいただくのはごく当たりまえのことであります。

ラヴァッシュの写真見たいですね。
でも、うっかりガンガン巻いて食べちゃったあとで気がつくんで巻いたあとのものしかございません。
これは、ケバブファストフード店で途中まで食べて思い出し、撮った写真。

これではよくわかりません。

では毎日通った町のケバブ屋さんで写したケバブを巻いているときの写真。
と出したいんだけど、毎日通って、「あんた、また来たの」と言われるくらいなじみの店で巻くところを写真に撮ろうとしたらえらい勢いでおばちゃんに怒られてしまって撮影できませんでした。
店主もおばちゃんの息子と思われる若者も「いいじゃねーかよ。撮らせてやんなよ」と応援してくれてたようなんだけど、おばちゃんはどーしても写真は嫌なようで、「巻くとこしか撮んないから顔は入らないよ」といくらお願いしても「ダメなものはダメ」。とうとう同族で揉め始めたんで、これ以上よそ様にご迷惑をおかけするわけにはいかないと断念しました。

従いまして、宿に戻ってから巻き巻きを解体して再現いたしました。
どうしてバックが紫なんだと言われても、それしかなかったからしょうがないんです。

こういう具合にケバブを巻きます。
たっぷりタマネギとパセリを入れてもらいます。これは私がもっともっと、とお願いして入れてもらいました。
マヨネーズとケチャップをかけますが、ケチャップ嫌いなんでこれには入っておりません。

巻き始めます。

出来上がり。

この日はこれと鶏のケバブ、トマト、500ml1本100円のキリキアというビール2本を宿でたいらげ、晩飯終わり。
全部で300円ちょっと。

毎日これでもかまわないんだけど、それじゃ、アルメニア料理ってどうだったと聞かれても答えようがないんで、宿の向かいにあるPizza di Romaという店にもよく行った。
ここのウェイトレス。お前らもう全員クビ。
とにかく接客態度がなってない。
入って行っても、こんにちは、でも、こんばんは、でもない。
これまで誰もいなかったからみんなで座り込んで楽しくおしゃべりしてたのになんで入ってくんだよ、という気分丸わかりの顔してメニューをポンと置いていなくなってしまう。
「すみませーん」と声をかけないと寄ってこない。
他の客が入ってきても同じ。

厨房の兄ちゃんが「できたよ」と声をかけても動かない。兄ちゃん頭に来て鍋をしゃもじでガンガン叩くと、ようやく重い尻をあげる。

ただ、ここおいしいのよ。
だから厨房の兄ちゃんは真面目なの。
マッシュルームスープは絶品で何度も頼んじゃった。

しつこいけど、ウェイトレスの君たち、オーナーらしきおじさんがいきなり現れるといきなりピーンと立ち上がって、店の隅に散ってたね。
あれ意味ないよ。おじさんすべてを把握してるって顔してたから。いつまでのその職があると思うなよ。
失礼しました。
この店はチェーン店で町のあちこちで見かけるが、アルメニア人にも大変評判が悪い。
すべてウェイトレスの態度のせいだ。
普通の店も凄く態度いいともいえないけど、ここほどではない。

中華料理の店があったので一度くらいは経験だと思って入ったら凄く高くてがっくり。
マッシュルームスープ(こればっか)と焼きそばとビール。
どうせ、とあきらめてたんだけど、これも意表をついておいしい。
アルメニア人の舌は日本人並みに敏感だということがわかった。

ちゃんとしたレストランに行くと、たくさんの料理があるのがわかるが、観光客向けでないレストランにはイェヴァさん、アルマンさんとしか行かなかったのでどんな料理か不明なため率直に申し上げてよくわかりません。英語で書いてないんでわからないんです。聞いても英語が通じないんで無理。
でも、何でもおいしいはずです。

アルメニアの6月は果物も大変おいしい。
普段は甘いものを口にしないので食べないが、宿に置いてあった私用の果物を何気なくかじってみたらその華やかかつ純朴な味に惚れ込んでしまい、毎日ガシガシ食べるようになりました。

町のどこでも買えます。

果物屋さん、野菜屋さんは何故か中途半端な開き具合。多分強い日光を嫌っているんだと思う。

でも、このおばさんの売っているのが一番おいしそうに見えた。