すし玉

本日の「ごちそうさん」。
「いけずし合う」なんちゅー約束したっけ?め以子がやったいけずってなんやった?

本題。
昨日、金沢から帰ってきてチャッチャチャッチャと片付けて、やることやって一息ついたらなーんもやる気がなくなった。
こういうことって私の場合よくあるんですよ。
日頃ダラダラしてるからかしら。

引きづりますが、金沢うまいもの話で。
駅ビルの中にひっそりと佇んでいる回転寿しのお店、昨日お話しいたしました。
忘れていたことがございます。
まず、お店の名前。
「すし玉」でございます。
確かに回転しているんだけど、むしろ頼んで握ってもらう方が多いんです。
回転しているので皿を取ったのは蟹味噌、蟹の身軍艦巻き
これを一口で食わないで蟹味噌を箸で舐めながら、ちびりちびり熱燗をね。
「女将も一杯どうだい」
「じゃ、いただいちゃおうかな」なんちゃって。
オッサンしか握ってないっちゅーの。

アラをカリカリに揚げたのがなんだかわからない。
「のどぐろです」
早く言ってよ。
ああああ、生きててよかった。
こんなもんが食えるもんなあ。
うまい、うまい、うまい。
一皿にすごい量。
のどぐろは食えないところがない。
アンコウみたいな魚やな。
これも熱燗でね。
隣のお嬢さんに「どうですか、とてもおいしいんですよ。熱燗もいきますか。いやいや、こんな爺さんなんで下心なんかありませんよ。ちょっと話し相手が欲しいだけ」なんちゃって。
空いてんだからハゲオヤジの隣にわざわざ座るお嬢さんがいるわけないじゃん。
ゆっくり食べてるつもりなんだけど、お酒の相手がいないからどうしたってサクサク進んじゃう。
パリパリ、グシャグシャ何一つ残すところなく骨もヒレも食ったなあ。
ばい貝食ったよ。
するめいか食ったよ。
イワシ食ったよ。
ガスエビ食ったよ。

「みそ汁無料、お替わり自由、セルフサービスでどうぞ」
気になってたんだよな。
「よくかき回してください」と書いてある。
蓋を開けるとみそ汁だけしか見えないんだけど、かき回すとその下に甘エビの頭が大量にぶち込んである。
小さくて食べようがない蟹の甲羅まで浮いては沈む蜃気楼。
蜃気楼も甘エビの頭も大量にお椀にぶち込んで、席に持ち帰る。
一口啜って、気が遠くなった。
これが、これが欲しかったんだよ。
身なんかいらないの。
このみそ汁には海が溶けている。豊穣の海が。
私達、ほ乳類も海から陸に上がってきたんだよ。
海か、海はいいぞー。
「バカヤロー!」
「愛してるぜー!」
最初にこの存在に気づいていたら、握りひとつだけにして、みそ汁飲みながら熱燗だったな。
「お嬢さん、このおみそ汁飲んでごらん。ほら、身体の芯がほっこりしてきて、海に漂っている気がしてくるでしょ。まあ、一杯お酒飲んでごらん。今日はおじさんとみそ汁を肴に飲み明かすか」なんちゃって。
甘エビの頭はすべてチューしてペコペコにして皿に出す。
蟹の甲羅に身も卵も付いてるじゃないの。
生きるということは命をいただくということだよ。
ほじりまくりで、店のオヤジの目は見ないように、と。
お替わり3杯。
皿の上には無数の殻が山盛りだ。
ああ、恥ずかしくない。
無料だ、お替わり自由だ、って書いてあるんだもん。

写真撮ることなんかすっかり忘れてた。
ないものはないから、一昨日食べた「けいすけ」の塩ラーメン。
私はおいしくいただいたんだけど、意外に皆さん普通の評価なのね。
味にうるさい金沢だわ。