フードポルノで欲情

本日の「ごちそうさん」。
逮捕は勲章。

本題。
ポルノグラフィティって劣情を催させる卑猥な歌ばっかり歌うグループだとばっかり思い込んで、一度聴いてみたいと思っていたんだけど、なんだ、普通じゃん、ある意味がっかりかも、ということになったのはすでに10年くらい前?もっと?

皆さん、すでにフードポルノという言葉に反応し、すでにちょこちょこと書いていらっしゃいますが、私なりのことも少しだけ。

私はスマホができる前から、SNSに大勢の人がドンジャカ食べ物の写真をアップする前から食べ物の写真を撮っていましたよ。正確に言うと食べ物の写真を絡めたお店の雰囲気がわかる写真。
家族でラーメン食ってるとか、シビレル屋台とか、ここでしか食えんワンタンメンだけど店員うるさすぎの中華とか、特に発表する場もなく、なんとなくパチリパチリとやっておりました。
こんな日が来るとは思わなかったんで、もっと撮っておけばよかったと悔やんだりして。

スマホが登場してからは一時はSNSでは一気に花が咲き、毎日山のような皆さんがこれから食べて消化して排泄するおいしそうなものばかりで埋め尽くされた印象さえありました。そうでもない?
私は研修でアメリカ、ヨーロッパでじっとしていたときにラーメンが恋しくて、あれどこだっけな、新潮社だったような気がするんだけど、文庫本サイズのラーメンの写真で構成された本(30年くらい前)を毎晩食い入るように見つめて枕を噛んでおりました。
あの頃のアメリカのラーメンなんてチャンチャラおかしくて食えたもんじゃない。

今はいいよな。
FBで私はラーメン愛好会のグループに3つも入っているので、毎朝とても幸せな気分になれます。
その気になりゃ食いにも行けるんだから。
であるからして、ラーメンの写真を見て欲情することはよくあります。
フードポルノとはよく言ったものだ。
言い得て妙。

ところが、フードポルノはいかがなものかという批判もあるらしい。
なんせポルノだもんな。
しかし、欲情を否定しているわけじゃなくて、料理を作る人が著作権を問題にしたり、いちいち食べる前に「ちょっと待って」とスマホでいちいち写真を撮りまくるのがマナーが悪いということらしい。
そうねえ、私もこれはと思ったラーメンだけは「ハズカチイ」と身体を小さくしてガラケーで一枚だけ写真を撮ることがあるけど、だいたいの場合、運ばれてくると写真なんか撮るのをすっかり忘れて、いきなり食い始めるんで皆さんのようになかなか写真をお見せできません。
ま、それから確かにスマホを手に一皿に全員が群がっているのはちょっと薄気味悪いこともあるわね。
みんな、思い出作り?
私の人生はこんなに豊かだった、ってことの証しかしら。

ラーメンの他に気になるのは社食でうまそうなもの2品頼んで、「どうじゃ」とこれ見よがしにアップされているのを見ると、萌えるな。出版社の方がやっています。
若い頃、味噌ラーメンと普通盛りのチャーハンを一緒に頼んでラーメンは伸びないように、チャーハンは冷えないように、と誰も真似できない早さで食いまくった時のことを思い出して、ああいうことまたやってみたいな、と思うんです。

興味のない食い物をアップされても邪魔だな、と思うこともあります。
嗜好の違いだからしょうがないね。
私がおいしそうだなと思うものだけアップしてくれたらな。
欲情しっ放し。

しかし、私はあることにすでに気づいていたのである。
今更、食いもんの写真がフードポルノなら、日本じゃもう20年くらい朝から晩までテレビじゃフードポルノだらけ。
ニュース番組、クイズ番組、旅番組、なんだかさっぱり内容がわからん番組まですべてフードポルノじゃん。
「う〜ん、たまらない」
「見て見て、この肉汁」
「うわっ!やわらか〜い!」
「舌の上でとろける〜」
「弾力がすごい」
「ピチピチです」
絵がなきゃ、そのままポルノじゃないの。
ああ、もう恥ずかしくてとても見ていられませんわ。
身体に火がついちゃう。
どうしてくれんの、ラーメン食わせろ、と私までおかしくなってくる。

これではおいしいものを大事にしているんだか、どんどん消費していっているんだかわからない。
あんなに食ってばかりで皆さん、中性脂肪とかコレステロールとか血糖とか大丈夫?
フードポルノもほどほどにしとかないと死ぬよ。
それも本望か?

もうひとつ申し上げておくとポルノの神髄は想像であります。
人によりますが、あからさまに見せられても劣情は催しません。
読ませてくれよ。
書きなさい。
読んでよだれを垂れさせてくれ。
手軽なコミュニケーションは手軽な関係性しか構築できないぜ。

と言いつつ、昨日は私が全く忘れていたホワイトデー。
バレンタインデーに何ももらってないんだから気にする必要なんてかけらもないんだけど、なぜか家族がどえらく高そうなものをもらってきた。
普段は甘いものを一切口にしないけど、昨日は「高いよ」という言葉に乗せられて、ひとついただきました。
こんなもんでしょ、という味でした。