D坂文庫、再びの再び

いや、ついに私が思いついた千駄木にある往来堂書店主催D坂文庫が三度目の開催となりました。
こんな嘘をついても意味がないな。
長年続いている往来堂さんの年に二度のD坂文庫キャンペーンに堂々の三度目エントリーとなりました大倉眞一郎でございます。
と申しましても、私の本が置いてあるわけでもなく(唯一の著書はとっくに絶版となっております)、文庫を一冊選んでいるだけでございます。

すでに7年半、本を紹介する「BOOK BAR」というラジオ番組で話をしているのに、何故三度しかエントリーさせていただけなかったのかは未だに不明ではありますが、あの往来堂さんにそんな生意気は言えない。
今回も選者に選んでいただいて大変光栄でございます。
毎回、こんな本を選んで大倉って大したことないね、とか思われるんじゃないか、と不安になるのですが、考えてみればそんなことを思うこと自体、選んだ本の著者に失礼であります。
私は選ばせていただいているだけの身。
いい本を書いてくださってありがとうございますの姿勢が大事なの。

私が選びましたのは一度目が広瀬正の「マイナスゼロ」。
タイムパラドックスを最初に日本で登場させたのがこの人じゃないかしら。
間違ってたらごめんなさい。
最後まで読むと「ウゲゲゲゲ!」と絶叫し、すぐにまた途中から読み返すことになるという、スルメのようなSFであります。
絶対に失望させないから読んでみて。
つまんなかったらいつでも私を現物で見つけてください。
100円あげます。
ただし、FB、メールのたぐいでの「金よこせ」には応じられません。
ご了承ください。

二度目に選んだのがアレン・ネルソンの「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか」。
ベトナム戦争に送りこまれたネルソン氏本人が書いた本です。
子供でも読める本ですが、途中で涙が止まりません。
戦争がいかに人を傷つけるかが平易な文章で綴られていますが、圧倒的な説得力を持っているので、一人一冊持っていて欲しいと思い選びました。

実は今月の9日から始まっているんですが、ついうっかりしておりまして、ご案内が遅れてしまいました。
来月19日まで開催されております。
入店すると真っ正面に本が並べられていますから、すぐにわかります。
三度目の今回、何を選んだかは内緒でございます。

本は通販でという方もいらっしゃると思いますが、通販では知らない本はオーダーできません。
是非足を運んでいただいて、こんな本があったのかとため息をついていただけたら幸いでございます。
毎回も皆さん、素晴らしい作品を選ばれています。
こんなラインアップはなかなかないですよ。
お帰りの際は根津神社湯島天神などを散策されて、うまいうどん屋さん、ラーメン屋さんでお腹を満たして行かれてはいかがでしょう。

アイルランドから愛を込めましてお勧めいたします。