外国でカレーを作る

アメリカやイギリスに住んでいたときに自宅でカレーを作るのは話題にもしようがないんだけど、私の場合外国人の友人の家に泊めてもらう時は何故かカレーを作るという習慣ができてしまいました。

始めたのは、もう30年も前。
フランスのリヨンに住むコルビ夫妻んとこでは行くたびにカレーを作ったね。
インドのカレーと日本のカレーはどうしても違います。
私はどちらも好きですが、本当のことを言うと誰よりも自分が作ったカレーが一番おいしいと信じております。
個人の好みだからね、バカにする人はしてなさい。

フランスでバカ受けして、その後もいろんなところで作ったなあ、というのは全くの嘘で、今回帰る前5日もお世話になったピーター・トラビスの家で昨年作って、そのとき奥様のキャロルにも娘さんのルーシーにも「とってもおいしい」と喜んでもらえて、今回日本を出る前に「泊めて」とお願いしたところ「カレーを作るのが条件」ということだったので、ハウスジャワカレー、スパイシーブレンドという一番辛いのを持って行きました。
要はフランスとイギリスでしか作ってないということですよ。

なぜピーターがそんなにカレーにこだわるのかと申しますと、ロンドンで自宅に呼んだときにカレー食わせたら、いろんなものを食べたあとだったのに「まだあるか」とお替わりをするくらい気に入ったんですね。
その後も日本に来るたびに自宅でカレーを食わせると大喜び。
安上がりだわ。

ということで、今回は具を何にするのか迷いました。
私が得意なのは牛スジカレーなんだけど、そんなものブッチャーで売ってるんだかどうなんだか。
ロンドンの日本人の多い地区にある肉屋では昔売っていたんだけど、泊まるのはバース近くのロードという村ですからね。
「牛スジカレー食べる?」
「おいしい?」
「おいしいよ」
肉屋にピーターと二人で行って牛スジって英語でなんて言うんだろうなあ、と悩んだ末、自分のアキレス腱つまんで「牛のここんとこみたいな肉ありますか」と聞いてみたら、「は〜?」だって。
そうだろなあ、ここで関西風おでんなんて食べんだろうしな。
「そんなとこ誰も食べないからないよ」
「そうだよね」ということで肉屋さんお勧めの牛肉を大量に購入。
しかし安いわ。

イギリスではリーマンショックもなんのそので、住宅価格はこの20年くらい異常な高騰が続いているんだけど、食品は安いんですよ。
日本の消費税に相当する付加価値税がかからないこともひとつの理由なんだけど、それでは説明がつかないくらい安い。
ちなみに車の中のラジオで聞いたニュースではロンドンの住宅価格は昨年19%上昇したとのこと。
ピーターが40年前に買ったフラットは30倍になったそうです。
若い人は家買えないですよ。

そんなわけで、私のカレーはいろいろ手が込んでいるんで、買い物から帰ってずっと支度をして、じっともろもろを煮込み続けること5時間よ。
まずかったら許せんな。

そんなことになるはずもなく、完成前に投入したマッシュルームがこれまたいい味出してくれて、私としては大満足。
すんごく辛いんだけど、みんな「おいしい、おいしい」だってさ。

こんなんですよ。

で、こんなん。

で、ピータが私が作るのを見ていて撮った写真がこちら。