ビエンチャン、ワッタイ空港の熊本ラーーメン

年とってあちこちに行くと、これは不思議だなあ、と思うことに出くわすことが増えてくる。
普通は世慣れてしまって、「ははん」くらいに思ってしまうようだが、私には若い頃は見えてなかったのかなあ。不思議と思える力が欠けていたのかしら。

4月にラオスビエンチャン、ワッタイ空港から離れる時に、ササッとパスポートコントロールを抜けて、中でゆっくり飯食っていようと思っていたのだが、出国審査の入り口とは逆側になにやら不思議な空間があることに気がついた。
落ち着かない場所に垣根で囲った場所がある。
そういう場所は大好きなんで、「なになになに」と近づいてしまう。

そしたらさ、なんなんでしょうかね。
そば、熊本ラーメンの店があるんだな。
どうせならそばだけで貫くとか、本格的にラーメンの道を究めてみるとかいう方が、わかりやすいはずなのだが、そばとラーメンじゃなくて、わざわざ面倒な「熊本ラーメン」と書いてあるわけだ。写真付で。

豚骨ラーメンはすでに香港、中国、そのほかのアジア各国でも人気があり、味千ラーメンにいたっては日本の売り上げをはるかに上回るアンストッパブルな勢いである。
アジアだけじゃないな。世界中でラーメンが食えるといっても過言ではない。

イギリスからパートナーエージェンシーの連中が出張で来るたびに渋谷の桂花ラーメンに連れて行っていたが、真面目な顔して「これまで食ったものの中で一番うまい」と目をうつろにしていた奴がいたくらいである。「豚骨は苦手」とか阿呆なことを言っている連中よりよほど味覚はまともである。イギリス人は箸を持つのもうまいよ。

ビエンチャンには何軒か日本食屋があったが入ったことはない。
他のお店でよほどうまいものが食えるからである。
とんでもなくうまかったりしてたらごめんなさいね。
しかし、日本人だらけというわけでもないビエンチャンに店を構えるとはよほど気合が入っている方が経営しているか、日本人以外の客狙いか、であろう。一度お邪魔しとけばよかったかな。
いずれにしても、ビエンチャン以外には日本食屋はない。

それにしてもだ、何故ワッタイ空港に熊本ラーメンなんだろう。
日本でも残念ながらこれは絶品というラーメン屋は空港にはない。どんなラーメンでもいいから食いたくなる私のような人間がいるからだろう。通ってくれる客がいないわけだから、何でもいいからとりあえず食わせとけである。あの福岡空港でもラーメン屋が確か2軒あるけどダメだもんな。客を舐めるんじゃないよ。私のようにブログで騒ぐ奴が出てくるんだから。

すみません。ずれました。
そばがあるのは、なんとなくわかるからいいや。本当は分からないんだけど、そばはそばだからまあね。空港に日本人はほんのわずかしかいないし、全然店に人が入ってないけどいいよ。
でも熊本ラーメンはあまりにも意表を突きすぎじゃないかな。
意表を突かれて、ついだらだらっと席についちゃったもん。

若い女性店員が3名くらいかしら、キャーキャー笑いながら楽しくしていたところに、ヒゲボーボーの汚いオッサンが入ってきたから皆さん驚いちゃって、しばらく凍ってました。
気を取り直してメニューを持ってきたけど、熊本ラーメンしか食うわけないでしょ、と申しますか、熊本ラーメン度のチェックしかない。
困った客だよ私は。熊本ラーメンについてはスッゲーうるさいんだから。
うまいとは期待してないけど、どのくらいのことになっているのか発表することに決めてたんだから。

熊本ラーメンが売りだろうに全く豚骨臭のない店なんで、スープはどうしているのかと思って眺めていたら、冷蔵庫からペットボトルを取り出した。クリーム色の液体が入っている。
それはどうしましたね。豚骨ラーメンのスープになるだろうことくらいは容易に想像がつくが、どこでどうやって作った?どのくらいしまいこんでたかね。

出てきた。
うーん、熊本ラーメンかと言われれば、確かにそれっぽく見えるな。麺もやや太めだしな。
これだ。

お店といいますか、そばうどんエリアの様子はこちら。

味はねえ、これはもうですね、ご自身で味わっていただくしかない。
最初から私はここで味についてあれこれ言うつもりはなかったのである。
この世界不思議発見的な事象について書き残しておきたかっただけなのである。
熊本ラーメン度を決めるのはあなただ。

あえてひとつだけ注意喚起を呼びかけたい。熊本ラーメンには紅しょうがは入れないんだよ。
覚えといてね。