白鳥の湖、のあと

本日の「ごちそうさん」。
すっかり嫌なおばはんになってはるで。みんなそうやったから?

本題。
ここ数日、私はすっかりクラシック漬けだわ。
おいしく漬かっているかしら。
やっぱりたまに地が出ちゃうものだね。

一昨日は中澤きみ子さん、宮田大さん、イタマール・ゴランさんの三重奏でうっとり。
モーツァルト中心だったんだけど、私はメンデルスゾーンピアノ三重奏がとてもよかったのことよ。
小学校のときにバイオリンを教わっていたのって隠せないものね。
皆さん、私がこのエピソードをお話しすると「え〜〜〜!!」っておっしゃるけど、なんで?
ふふ、4年間も習ってたのにビブラートもできなかったのよ。
ビブラートかけようとすると、バイオリン、体すべてがブルンブルン動くのよ。
やめてよかった。

昨日はバレエよ、バレエ。
クワー、俺にバレエかよ。
姪がバレエのことしか脳味噌が機能しないバレエバカで、小さい時からバレエ漬け。
たまに会うと「おじさん見て見て」と足をブンブン上げ下げするようなガキでした。
そのガキが今はもう26歳。
書いちゃまずかったかしら。
東京シティバレエ団で踊っているんで、久しぶりに観に行ってきました。
二日間の公演で二日とも出ずっぱりで、三羽の白鳥やなんやかんや全幕出てるって、えらいきついんと違うの。

白鳥の湖は私がチャイコフスキーが好きなんでよく聞くんだけど、バレエを観たのは初めて。
あら、こんなお話だったのね。
舞台観ただけじゃわからないんで、妹があらすじをまとめてくれていました。
鶴の恩返しじゃないけど、羽衣伝説でもないけど、人間と動物の間の恋愛物語じゃないですか。
これは人類学的、民俗学的見地からも世界中で散見される人類に普遍的な物語であります。
興味がある人は中沢新一の「カイエ・ソバージュ」を読んでみてね。
5巻まであります。

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)

いや、そんなことを書くんじゃなかった。

姪の平田沙織はなかなかの器量よしで、舞台で映えるんだけど、あんなにたくさん白鳥が出てくると、三羽の白鳥と言われてもやや視力が落ちてきているオジサンには見分けがつかない。
皆さん大変なメイクをされているし。
時々、あれかな、これかなと探していると本筋を見逃すので、あまり気にしないようにしていました。

白鳥の湖があんなに華やかなバレエだとは思わなかった。
第一幕、第三幕ではもう宮廷の中できらびやかな男女が踊り狂うので、その美しさに圧倒されましてよ。
チャイコフスキーはサンクト・ペテルブルグ出身なので、出演者はあの周辺の民族衣装に似たものを着て踊るもんだから、もう眩しくてうっとり。

第二幕と第四幕は湖のほとりで白鳥の大軍団が狂喜乱舞、じゃなくて、群舞よ。
ああ、私には本物の白鳥が見える。
優雅に羽を羽ばたかせ、おてては羽になったり首になったり、自由自在だわ。
本当は人間しか見えなかったんだけど、上手に表現するものね。

でも、これどこかで観たことがあるような気がするわ。
あ、「ブラック・スワン」ってこのことなんじゃないの?
ナタリー・ポートマンが主演したやつ。
白鳥の湖では悪いやつ、オディールは多分黒鳥、いい白鳥の化身オデットは白い衣装なんだけど、一般的に一人二役で演じるんですよ。
大変なお役目、ご苦労様です。
ナタリー・ポートマン(が演じた主人公)はそれに耐えきれなかったんだもの。

平田沙織の見分けがなかなかつかなかったんだけど、たま〜に、いたいたとフォーカスが合うことがありました。
優雅だわ。
もしかしてかなりお上手なんじゃないこと?
お父さん、お母さんにお世話になったんだから、世界的なバレリーナになって恩返ししてあげてね。
オジサンも少しだけ助けてあげたことがあるから、お裾分けも忘れないでね。

白鳥の湖の白鳥は本当はツルだと主張する研究者もいるみたいだけど、白鳥でいいんじゃない?
今更ツルと言われても困るわ。

6時に終わって、みんなで飯でも食いにいくか、と聞いてみたら、皆さん御用があるようで、特に上の妹は「広尾の豪華フレンチに行くからダメ」だってさ。
ああ、そんなもんだ。
日高屋でタンメン餃子食って帰ろうとしたら、かづ屋っていううまそうな店が目の前に現れてしまい、ワンタンメン大盛りと餃子食べちゃったよ。1600円だって、とんだ散財しちゃいました。

沙織に写真載っけるから、送れ、と頼んだらなんだかボケてるじゃん。
ともあれこれしかないんで。
群舞でございます。

三羽の白鳥でございます。
一番右が平田沙織だと思うんだけど、メイクがきつすぎて確信が持てません。