民族自決とナショナリズム

本日の「ごちそうさん」。
やっぱし小説家はモテるんやろうか。小説家がええわ。

本題。
大変なタイトルつけちゃったけど、そんな大層なことを書くつもりはありません。
書けないし。

クリミア半島のロシアへの編入問題で大騒ぎとなっております。
アメリカ、EU各国は表向き強くロシアを非難しております。
おまけに日本も無理矢理ロシア非難に加わらせられまして、オロオロ状態でございます。

今回のロシアの判断は誰も想像していなかったくらい動きが速く、あっという間に編入手続きを完了してしまい、まわりの国は「制裁するぞー!」「おー!」みたいな盛り上がりに見えなくもないんだけど、実際のところ「やめれ」「国際法違反だ」がせいぜいのように私は感じるんでございます。

クリミア半島の歴史については報道でも触れられることがありますし、wikiで調べればだいたいのところがわかりますので、ここで知ったかぶりをしてもしょうがない。
ま、大変ややこしいところでございます。

私が本日申し上げたいことは、第2次世界大戦後植民地独立のキーワードとなった「民族自決」はそんなに素晴らしい発想であったか、という疑問でございます。
一民族一国家みたいなことになっておりましたが、だいたいさ、民族ってなんなのよ、ってくらい定義が曖昧なのに無理があったんじゃないの。
「国」という概念が壊れてしまうと大変なことになる、と思ちゃったんで、じゃ、一民族で一国家なんかどう?ってことだったんじゃなかなあ。

国とは地域エゴが極まったものであると私は解釈しております。
普通だったら大炎上もののこと書いてるな。

日本は単一民族幻想によって成り立っております。
嘘なんだけどね。
ヨーロッパ各国も一応民族ごとに国を形成していると思いがちだけど、どこが?
私が思いつく限りすべての国で民族自立運動がございます。
イギリスはスコットランド
ウェールズでも同様の動きがありますね。
スペインはカタロニア、バスク
ベルギーはもはや分断国家と呼んでもいい状態。
まだまだなんぼでも出てきますよ。
あれだけ「国」の大きさが膨らんだり萎んだりしているんだから、明快にここは何民族の地、なんてことがもともと言えないでしょ。
同じ民族でしか結婚してはいけない、なんてこともないからダブルパスポートの人もたくさんいますよ。
現存している王室だって、あっちこちからやって来ているんで、君主自体が遡れば国民と「民族」を異にしてることだってあるじゃん。

チベット、新疆・ウイグル問題については簡単には語りきれないのでちょっと横に置いとかせていただきますが、一般的に民族問題と呼ばれるものは絶対に間違いない、なんて言えるようなものじゃありません。

それに対して、移民で作られた国には民族間対立はあっても、独立運動なんてことには成りようがない。
アメリカの場合もネイティブ・アメリカンについては大きな議論があるところで、ネイティブ・アメリカン居留区は「独立」していると言ってもいいんだけど、いわゆる国として「独立」しているとは言えないでしょう。
そういう国では国としてまとめていくにあたり、ナショナリズムがどうしても必要になってきます。
だから、大統領選挙になると両陣営ともアメリカ国旗を振り回して、アメリカ国家幻想を崩さないよう必死であります。

長くなりました。
ブログに一日でまとめようとする方がメチャクチャなんだけど。

ウクライナ問題の報道に接していていると、ロシアが世界から完全に孤立している印象を受けますが、私のようなひねくれたものからみると、非難している国がそんなにご立派なことされていますでしょうか、と一言申し上げたくなるんでございます。
ウクライナ新政権がそんなに立派かね。
自決権はウクライナ国民にあると認めます。
でも、どうしても嫌だ、と声を上げている人も大勢いますね。
そこは無視でいいの?
ここはウクライナナショナリズムを優先しますか。
ここで私が使っているナショナリズムという言葉は使い方が難しくて誤解も多いんだけど、民族を超えて国としてまとめていこうという意味で使っております。
いわゆる国粋主義とは違うと受け取っていただけますか。

各国、自分の国が歴史的にどのように形作られてきたか、まじめに掘り下げていくと、どう考えるんだろうか。

ウクライナが騒ぎになって非常に短い間の出来事だったんだけど、その間まとまりのない上記のようなことを考えておりました。

ちなみに「幸せの国、ブータン」ではネパール系住民は国外に追い出され、難民となってインド、ネパールで生活しています。
で、ネパールでは南部のタライ平原では独立、あるいは自治を求める運動も活発です。

この問題は追っていくときりがありませんが、知らない、でもすまされんだろうと思っています。
無責任極まりないことを申しますが、私は民族自決国粋主義ナショナリズムも両方嫌いであります。