帰ってきたよ

ラオスもインドも4年ぶり。

おかしな話で恐縮ですが、私の場合「旅」と言う言葉は最低でも3週間は出ていないと、その気分になれないので、実はこの4年間日本を離れたことがありませんでした。。
であるからして旅人などと名乗ることはおこがましい次第でした。

何故そんなに外に出ていなかったかと申し上げれば、仕事を首になる、勝手にやめるということになっていなかったからである。
仕事を失うと「あー、これですっきりした」と思ってしまう癖がついているのは本人も閉口している。
どっちかというと嬉しくなって、半年いなくなったりするので、いやもう、自分のバカさ加減にげんなりしてくる。

今回の旅はラジオとウェブでどのようなコミュニケーションが可能かに挑んでみたので、何かが始まるときには、お知らせしますから是非お試しください。もちろん無料でございます。

さて、内容はそちらで詳しくナニしたりするので、ともあれ帰国のご挨拶。

「きったねえ足だなあ」と旅の最中から思っていた。
写真で見る限り、皆さんがお感じになった通り、黒い部分に垢がたまっているふうにしか思えない。
「じっくり風呂に浸かって、ふやかして、ゴシゴシこすんないと恥ずかしくて靴が脱げない」
脱がなきゃいいんだが、何かの弾みで靴下を脱ぐようなことがあるとドン引きされるな、と自分でも分かっていたんですよ。
何故こんなわかりにくい例えを用いるのかと正直にご報告します。

友人の原田という映画プロデューサーが、打ち合わせを始めると、必ず靴も靴下も脱いで、恥も外聞もなく話に没頭するのを何度も目撃していて、「あれは俺もきっといつかやるな」と信じているからである。

しかし、事態は写真のような妙なことになってしまっている。
脱げねえよ。

日本でもこれから毎日暑くなる日々がやってきて、去年の夏もほとんど旅先で履いていたこのサンダルでどこにでも登場していたのにどうして気がつかなかったのだろうか。

それはですね、外をあまり歩き回ることがなかったからなんだな。
東京では身体性を失っていたんですよ。
町を見ているようで、じっくり歩きながら自分を取り囲む環境を見ていなかったということなのである。

うーん、この歳になってまたひとつ当たり前のことに気がついてしまった。

ちなみに顔面、もちろん頭頂部も含めて真っ黒である。ますますどこに毛があるのかわからなくなってしまった。大事な毛が肌の色に溶け込んでいるのである。

そういえば、インド人に「お前の顎鬚は白くて綺麗だなあ、それ大好き」と誉められた。どうせなら美女に言って欲しかったのだが、私と同じくらいのオッサンにうっとりした目で告白されたので、嬉しさも半分なりけり、じゃなくて特に感慨はありませんでした。

そのくらい白い顎鬚が目立つということですな。
こちらの写真は公開しません。想像してみてね。

さて、サンダルであるが、一緒に行った若い二人に「いいサンダルだねえ」と何気なく声をかけてみたら、私が全く聞いたことのないブランドの名前を次々に出してきて、あのお店はどこにある、別の店のあれは何がどうだ、と話し始めた。

さて、気になるお値段です。

「で、いくらなの?」
「1万5千円くらいかな」
「僕のもそのくらいかな」
「・・・、最近かかとを押さえてくれるサンダルなくて、困ってたんだよね」
「売ってますよ、どこでも」
「でもABCマートにはなかったよ」
ABCマート・・・」
「俺のはイトーヨーカ堂の安売りコーナーで2800円くらいだったよ。ほら、でもダンロップ
「・・・」

どうもこのときだけ、話がかみ合っていなかったような気がするのだが、勘違いかな。