黄金を抱いて翔べ

うわっ!もうびっくりした。 すごい映画に当たってしまった。 最近の日本映画にこんな緊張感のある作品なんか期待していなかったんで、いきなりぶちかまされてしまい、全てのシーンを目に焼き付けたくて、瞬きを上映中一度もしなかった。公開されて1週間ち…

丸谷才一先生が亡くなられました

丸谷才一を初めて読んだのは中学生のときのことである。 同じ班の女の子に「大倉君、面白い本を貸して」と擦り寄られたので、こっそり親の本を読んで体が火照った丸谷才一の「たった一人の反乱」をやはりこっそり持ち出し、「これが面白いと思うよ」と何の下…

頭を気遣ってくれる人

昨晩のBOOK BARでは私がおかしな本を持って行ったばかりに、杏さんを泣かせてしまった。 ブースのテーブルに突っ伏してヒーヒー声を上げて泣いていた。今飛ぶ鳥を落とす勢いの杏さんを泣かせても責められないのはきっと私くらいのもんだ。しかし、話が続かな…

赤江瀑さんが亡くなりました

5月21日に赤江瀑さんのことを書いて、母親とどうされているんだろうと話をしていたばかりだったので本当に驚いた。数十年お会いしていなかった。大学に行って帰省した時に一度ご一緒させていただいたのが最後だったと記憶している。そのときは東京に行っ…

ガブリエル・ガルシア・マルケスのマジック・リアリズム

今朝の朝刊にガルシア・マルケスが認知症だという記事が小さく出ていた。 85歳ということなので、仕方のないことなのかもしれないが、やはり淋しい。ガルシア・マルケスにしびれたのは「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」という短編…

光より速く

昨年9月にニュートリノが「光より速い」という実験結果が出たというニュースを見たときは、これで俺もやり放題だ、と小躍りして喜んだが、今朝のニュースに「やっぱり速くありませんでした」とあっさり否定記事が出ていた。頼むよ、名古屋大学。名古屋大学…

カジノやんないの?

カジノの上がりで生計を立てていると本人がおっしゃっている森巣博氏によると「カシノ」が正しい発音だそうだが、イギリス英語では「カジノ」でかまわないようなので、ここは「カジノ」で統一させていただく。 ちなみに森巣氏は底なしに面白いカジノをめぐる…

金環日蝕

昨日までは「日蝕?はっ?」って感じでいたんだけど、朝、テレビで大騒ぎしているので、急に気になってやっぱ、日蝕一緒に見て「結婚しちゃお」ってカップルだっているし、なんだか事情はよくわからないが、ドリカムが2012年のおめでたを歌詞で予告して…

ギリシャ危機

ギリシャについては問題が多すぎてどの報道でも一言で言えば「グチャグチャだー」としか書いてないように思っております。あんまりハチャメチャなんでちょっと面白くなってきちゃったなあ、と不謹慎なことを感じてしまったりするが、どうも、私が皆様が書か…

病院での出来事

普段からあそこが痛い、ここが変、腹が緩いと、自分の身体に文句ばかり付けている。「おっちゃんは絶対長生きするって」と慰めてくれてるのか、舐められてるのかわからないが、親しい女性たちは肩をバンバン叩いてくれる。彼女たちも寄る年波には勝てず、ギ…

役に立つ本

自己啓発書というのは昔からある。 大昔からかというとそうではなく、多分30年前くらいからじゃなかろうか。 新興宗教が何度目かのブームを迎えていたころに、「自己啓発セミナーに行って、私は変わった」という人が私の周りでも数人いた記憶がる。新興宗…

積読

本をよく読む。 だから「BOOK BAR」という楽しい番組を長く杏さんとやらせてもらっているのだが、最近の私の積読には目に余るものがある。その上、読んだ本が捨てられない因果な性格をしているので、親、妹に多大な迷惑をかけている。私は自宅での仕事が多い…

ALAMAAILMAN VASARAT

本日はかるーく体調がすぐれず、なーんにも思いつかない。 ブログを始めて76日間欠かさず書き続けたが、これで中断か、というわけがない。短めに紹介させてください。フィンランド、なーんでもかーんでも素晴らしい国といわれたりしている。教育水準が極め…

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

面白けりゃいいんだよ。 面白けりゃいいってもんじゃない、ってことも世の中にはあるが、この映画は面白けりゃいい。 しつこいね。何故しつこいかと申せば、世界中どこでも原理主義的シャーロキアンが存在するからである。 シャーロキアンはうるさいよ。ホー…

悩ましいブログ

いろいろ思うところがあって1月1日から毎日ブログを書いている。そのうちこうして書いている意味が見つかるはず、だったんだけどなあ。書き始めるとどのくらいの人が読んでいるのかが気になり始める。誰が読んでいるのかは不明だけど、アクセス数とページ…

合唱部の私

小学生の時、私は合唱部に召集された。 クラスから先生が5人くらい歌がうまい連中を選び有無を言わさず引っ張っていった。それまで合唱部なんてなかったのに、思いつきで合唱部を作っちゃったのである。どうも下関で合唱コンクールがあるということで、どう…

光市母子殺害事件

昨晩からこの事件については繰り返し報道されているし、「専門家」が解説を加えているので、詳細につき私が新たな解釈を披露するつもりは全くない。ただ、事件について感じること、死刑という制度について思うことを少しだけ。この事件を知ったとき、私の娘…

ドラゴン・タトゥーの女

今日はこの話題でブログ書いている人多いんだろうな、と思いながらいつものように映画紹介っぽくない感想にいたします。混んでたね。 くらーい映画なんで敬遠する人が多いと思っていたので意外でした。 スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの作品を映画…

TRAMP, TRAMP, TRAMP

突然、マイケル・ムーア監督の「ボウリング・フォー・コロンバイン」の中でチャールトン・ヘストンがインタビューを退席する際、独り言のようにつぶやいた言葉を思い出した。 あまりに印象的だったので、時々思い出すのだが、なにも今日そのことを書く必要は…

「運命の人」どう?

山崎豊子の「運命の人」を読むに当たっては、些細なことではあるが、ショックな出来事があった。何があったか知りたい人は「捨てられた『運命の人』」を読んで。このブログのどこかに隠されています。いろいろあったが、とっくに読み終わっている。 西山太吉…

カレースパゲティ

なんか楽なほうに逃げようとしている、と鋭い洞察力でタイトルを御覧になった方がいると思う。 今日初めてこのブログを見ていただいた方は、食い物ブログじゃねえか、と二度と戻ってこないかもしれない。 それも仕方なかろう。しかし、物事には流れというも…

核武装すんの?

日本を石原新党という妖怪が徘徊している。 なんちゃって。共産党宣言じゃないんだから格好つけるわけじゃないんだけど、すわ、政局か?という場面になると必ず出てきますね。この政党にならない政党。 「君たちが勝手に書いてるだけで、迷惑してるんだ、こ…

I HATE CHRISTMAS

1月が終わろうとしているのにボケたこと書いてんじゃねえよ。 私もそう思います。 ただ、ちょっとへーって感じた記事を読んだもんで。アメリカでは2008年あたりから「I Hate Christmas」運動というのが始まったらしい。 どうもこの運動、とらえどころが…

捨てられた「運命の人」

ホントにもう。本日書くのは外務省機密漏洩事件のことではありません。 それのことは、現在我々が直面している、「ウィキリークスを評価するか」「ネット規制」「サイバーテロ」「マスメディアの凋落」等々の問題とも絡んでくるので、詳しく論じたいと考えて…

THE DITTY BOPS

私は一応FM音楽局で本を紹介しながら、その本に合わせて選曲もしているので、CDをよく買う。 ただ、最近の流行には全く疎くて、じゃなくて気持ちが反応できない体質になっていて、早い話、トップ40を全く把握していない。私の「みんなの好きなものは興味な…

無言歌

毛沢東は革命を成就させるには1000年かかると言って、にっこり笑った、と聞いたことがあるが、真偽のほどは確かではない。私の両親は一時期中国共産党シンパで、自宅にしょっちゅう共産党左派の党員を招いては、酒を飲んでいた。私も強く影響を受け、人…

READY FOR A REVOLUTION

朝起きてメールをチェックしたら、久しぶりにネパールの友人から1通届いていた。 「必ず最後まで見ろ。2分くらいだから」とだけ書いてある。彼はダリットと呼ばれるカーストの中にも入らないアウトカーストに分類されている階層の人間である。ネパールは数…

日本人が忘れてしまったもの

いつの頃からであろうか、「のんびりした国民性」、「ビルのない都市」、「人懐っこい子供たち」、そんな国を訪ねるテレビ番組では枕詞のように、「私たち日本人は大切なものを置き忘れてきたような気がしてなりません」「日本が忘れてしまった大切なものがこ…

エンディング・ノート

超ロングランの映画。 見たい見たいと願いながら、この映画だけうまく時間が合わずにこんな時期になってしまった。よくまとまってるなあと思いながら、朝早い上映にもかかわらず、正月3日から集まってきたお客さんと一体となって、一緒に笑ってボロボロ泣い…